農福連携に関わる園芸療法士・作業療法士の就労継続支援B型事業所でのチャレンジ日記④「春来草自生」

春来草自生(春来たりて草自ずから生ず)

——そんな言葉が今日の畑の景色と重なりました。

冬の間、静かに眠っていた土の中から、小さな命たちが次々と顔を出しています。名前も知らないただの草であっても、その芽吹きには確かな力があり、「今だ」と言わんばかりに伸びてくる姿に、自然のリズムの確かさを感じます。

しかし、この土の中には、芽吹くことができなかった多くの種も存在します。どんなに環境が整っていても、すべての種が芽を出すわけではないのです。古くなった種や保存状態が悪い種、水や温度、酸素など発芽に必要な条件がわずかに満たされないだけで、成長の機会を失うこともあります。時に芽吹かずとも、それもまた自然なことなのです。

人もまた同じなのかもしれません。それぞれに固有のタイミングがあり、外から無理に引き出そうとするのではなく、内側から自然と芽吹く瞬間があります。早すぎても、遅すぎても、その人にとって最良の形にはなりません。そして、すべての人が望む形で芽吹くわけではないという現実もまた、受け入れるべき自然の一部でしょう。

支援の現場にいると、つい「今こうしてほしい」「このくらいできてほしい」と思ってしまうこともあります。しかし、畑の草たちが教えてくれるのは、過度にコントロールするのではなく、その人の季節を信じて待つという姿勢の大切さです。そして、たとえ今は成果が見えなくても、それを受け入れ、その存在そのものを肯定するまなざしも必要だと感じます。

春は、ただ訪れるのではなく、それぞれの内にある準備と重なって、はじめて芽吹きとなるのでしょう。

今日も畑に立ちながら、「その時」を信じて待つ、

——その意味を、静かに感じています。

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